久々に読書感想などを。
『ダ・ヴィンチ・レガシー』(ルイス・パーデュ、中村 有希訳/集英社文庫)。
タイトルからして、例によって『ダヴィンチ・コード』の2匹目のドジョウを狙ったと思ったら、初版は1983年だったようです。2004年に改稿されたものが、この文庫バージョン。
と、いうか、
「ダヴィンチ・コードの作者、盗作で訴えられる」
というニュースを以前読んだことがうっすらあったような気がしたら、どうやら、訴えたのがこの本の作者だったようで。
結論からいうと、まったく別物です。
裁判所もそう思ったらしく、敗訴した模様。
うん、そうだよね!前に読んだ『ダヴィンチ・コード』の種本の本の方が、よっぽど訴えていいと思うよ。
でも、つまらないかというとそんなことはなく。
これはこれで冒険活劇として面白いんじゃないでしょうか。
アマチュアのダ・ヴィンチ研究者ヴァンスは、養父が手に入れたダ・ヴィンチの手稿を調べるうち、2ページ分がすりかえられていることに気がついた。酒肴の謎を追う先々で起こる殺人事件。やがて、その裏には宗教界や秘密結社がからむ闇の陰謀が隠されていることが明かに。消えた手稿には、約500年の時を超え、現代の人間も驚嘆させる"何か"が書かれていたのだ。手に汗握る展開と知的興奮が導く衝撃のクライマックス!(文庫カバーより)
主人公のヴァンス・エリクソンと、謎の結社(ブレーメン結社)と宗教団体(修道士聖ペテロに選ばれし兄弟たちの修道会)の三つ巴の戦いの構図は、面白いなあ、と思います。
舞台も、ミラノ、コモ、ボローニャとイタリアの都市を色々巡って派手。
物語としては、いい出来だと思うんだけどなあ。
でも、『ダヴィンチ・コード』を訴えるのは、やっぱりあさってな感じです(笑)。
ミステリにカテゴライズしていいかさえ迷ったし。